地域の学校における情報教育の推進、情報教育の研究推進とその成果の地域への還流を目的として、山梨大学教育学部は、山梨県の助成を受け、令和5年10月1日、附属教育実践総合センターにやまなし情報教育推進室を開室しました。
今、義務教育ではセカンドGIGAへの移行に向けて、高等学校では「情報I」の共通テスト導入により、ICTを活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一層の充実と、課題解決型の探究的な学びの充実が求められています。こうした学びの実現は、単独の教科や単独の校種ではなく、教科間・校種間で一貫性のあるメソッドを打ち立てていくことによって、より深い学びへと進んでいくと考えます。そこで、やまなし情報教育推進室では、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校のICT活用・情報教育において一貫性のある「やまなしメソッド」という独自の指導法の研究と開発を進めています。その成果を、地域の学校だけでなく、大学の学部・教職大学院での教員養成、県内の教員育成に還元していくことも目指しています。
教員育成においては、令和6年度より情報の免許法認定講習を開講しています。山梨県総合教育センター研修会や各学校の校内研等に推進室教員を派遣し、1人1台端末の活用における指導力向上や、大学入学共通テストの「情報」導入をふまえた指導力向上に務めています。また、令和5年度文部科学省「「新たな教師の学び」に対応したオンライン研修コンテンツ開発事業」を受託し、小学校・中学校・特別支援学校教員向けと、高等学校教員向けの2つのオンライン研修動画を制作しました。動画は本Webページからお申し込みいただけます。
教員養成においては、高等学校の「情報」免許課程を開設し、「情報」免許取得教員の養成を始めています。学部の教職課程での情報教育カリキュラムの体系的な整備と担当教員による意見交換会の実施、大学院の授業での最新の情報教育の提供、教育学部附属小学校・中学校にICT活用を支援する学生ボランティアの養成・派遣事業にも取り組んでいます。
新たな学びを多様化する子供たちに届けていくため、やななし情報教育推進室は、山梨県と連携し大学や県内のリソースを最大限に活用し、情報教育を推進していきます。ぜひ情報教育推進室をご活用くださいますよう、よろしくお願いいたします。
附属教育実践総合センター
やまなし情報教育推進室室長
新野 貴則